山梨大学眼科での20年の経験を生かし、緑内障外来、小児眼科、眼鏡コンタクト処方など、甲府昭和中央市地域の医療に貢献いたします。

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旅中毒(中巨摩医師会報より)

今回のテーマは「旅」という事で、ご依頼を頂いた時には「それなら書ける」と安易に考えていた。それというのも旅行は、私にとって今や一番の趣味だからだ。海外旅行だけでも既に37回、訪れた国は延べにすると58カ国に及ぶ。しかし、いざ書こうとすると、意外に書けない。そこで子供の頃を思い出してみると、今回初めて気がついた事であるが、家族旅行をした記憶がほとんどない。物心ついた頃には、父は脱サラして小さな町工場を立ち上げ、1年中働き詰であった。我が家に自家用車が無かった事と、母親のひどい乗り物酔いの為もあり、家族で出掛ける事は皆無であった。父がサラリーマンだった頃、1度だけ江ノ島に海水浴に行ったのは,強烈な印象があり今でも覚えている。

 そんな訳で旅行と縁遠かった私にとって、大きなチャンスがやってきた。大学の卒業旅行だ。当時は国家試験が終わってから医師免許の発行まで約2ヶ月あり、長い休みを取ることができた。当初はその期間に語学留学でもと考えたが、初めての海外旅行を一人旅でヨーロッパを放浪したら、もっと為になると考えた。学生用の鉄道周遊券を使い、夜行列車とユースホステルに泊まり、50日間に渡って1日平均1300円で食費から宿泊費をまかなった。まさに放浪の旅であった。この時から旅行が趣味になったのかもしれない。

 働き始めるとなかなか休みが取れず、旅行もままならないが、私は良い方法を見つけた。国際学会での発表だ、学会に参加するだけでは観光と思われてしまうが、発表してなおかつ原著論文をpublishすれば文句も出ない。従って学会の予定表を見て行きたい場所が有れば、その学会に間に合うように研究を急ピッチで進めると言った状態だ。本末転倒のようであるが、結果として業績も残ったので、悪いことではないと思っている。学会での旅行は1つの都市に長くとどまるので、家族を連れていく事もしばしばだった。子供ばかりか義父母もよく同行したが、義父母からは今でもその時の思い出話が出ては感謝される。義父母に最も評判が良かったのはノルウェーのフィヨルドやスイスの登山鉄道で、子供たちに良かったのはエジプトとの事である。

 開業してからというものは、長期間休診にしてまで学会に参加できなくなり、もっぱらゴールデンウイークに出掛けることにしている。もはや我が家の家族は旅行を我慢できなくなり、2年前には娘が浪人中でも、一緒にハンガリーへと出掛けた。その後、娘は危機感を持って勉強したのか、成績も伸びて合格できた。ゴールデンウイークといっても、子供も就職すると一緒には出掛けられなくなるであろう。残されたチャンス少ない。そこで、行ける時に一番遠くに行こうと考え、昨年はペルーのマチュピチュに行った。さすがに、家族連れは珍しかったが、マチュピチュを見たときは感動した。そして今年は、後輩が外務省の医務官としてモスクワにいるので、家族を説得してロシア旅行にした。サンクトペテルブルグから夜行列車でモスクワに行く人気のコースである。日本では余りロシアの良いイメージが無いので、余り期待していなかったが、行ってみると凄いところで、行ってみなければ分からないものだと実感した。

次はどこに行こうと1年中考えており、松尾芭蕉の「そぞろ神のものにつきて心を狂はせ、道祖神の招きにあひて取るもの手につかず」という気持ちが良く分かる今日この頃である。

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こぐれ眼科クリニック

日本眼科学会認定眼科専門医
小暮 諭

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