山梨大学眼科での20年の経験を生かし、緑内障外来、小児眼科、眼鏡コンタクト処方など、甲府昭和中央市地域の医療に貢献いたします。

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夢をかなえさせた魔法の言葉-----
(受験生へのエール)

「行きたくない」母がつぶやいた。高校二年のある日、その日は三者面談だった。それもそのはず、私の成績は落ちる所まで落ちて、校内偏差値34を記録していた。「進学校に来て周りが勉強している中で、全然勉強しないんですから、この子は大物です。将来を楽しみにしていて下さい。」母は先生から叱られるのが嫌で、一方的にしゃべりまくって面談は終わった。この時、私が国立大学の医学部に合格するとは誰も思っていなかったに違いない。もし予想していた人が居たとすれば母だったかもしれない。

思い起こせば、私は母からいつもポジティブな言葉をかけられていた。「お前はやれば出来る」「お前はもの凄く運が良い」「兄弟の中ではお前が一番頭が良い」等。そして母がよく言っていたのは「馬を水飲み場に連れて行く事は出来ても、無理に水は飲ませられない」この言葉の意味は、親は勉強する環境は作れても本人がやる気にならなければダメだという事らしい。従って、私は母から勉強をしろと叱られた事がない。「お前はやれば出来るのにやらないからもったいない」母は良く嘆いていたが、いつかはやると信じていたようだ。

私も私なりに努力していたが、一度落ちこぼれると簡単には抜け出せなかった。だから医学部志望である事は誰にも言える状況ではなかった。しかし、いつか自分にはできるに違いないという自信が有った。どうしてそのような自信が有ったかは、今にして思えば魔法をかけられていたかのようだ。母が他界して5年になるが、今でも昔の母の言葉に勇気付けられる。

昨年、私の子供も1年浪人した。私の出来る事は私が受けたような言葉を掛ける位で、本人のスイッチが入るのを待つしかなかった。結果として、成績は飛躍的に伸びて、幸いにも医学部に合格した。医学部受験は難しいが、昔の自分と比べれば全然マシだったので、私は十分合格すると思っていた。きっと合格すると思っていたのは私だけだったに違いないと思い、子供に聞いてみると、意外な返事が返ってきた。「合格しないと思って努力する人はいない!」 高校の成績からは想像出来ない強気な言葉に唖然とさせられた。まさに魔法が効いているようだ。「きっと自分には出来る」と思う事は成功への第一歩に違いない。

平成24年 甲府昭和高校保健便り掲載